保護者の皆様へ‐平成29年度が終わって‐

| トラックバック(0)

平成29年度が終了しました。

昨年度より幼児教育界の重鎮、平田智久先生のご指導のもとに「こども主体の保育」を実践し、2年目の4月当初より「まずこどもありき」「こどもが主役」ひとりひとりのこどもの成長に即した、興味関心をなによりも大切に保育を進めてきました。

従来行ってきた事を徹底的に洗い出して、「指導者先行「やらせ」をなくして、日々の連続性や積み重ねの中から、こどもたちが「やりたい」ことを「自分で」できるようにしてきました。

 「運動会」は小中学校でも同じですが、毎年のプログラムの演目が変わるだけで、すべてのプロセスがまったく同じように進行して、終始指示命令こどもたちはただ言われるとおりにしているだけ、その時にこどもたちが楽しめるように声かけをしたり優しく誘導したりするのか、厳しく叱責をくりかえし軍隊のように訓練するのかという違いはあっても、こども不在であることにかわりありません。

夏が終わって過ごしやすい良い季節の頃に、こどもたちから自由に活動する時を奪ってしまうことに大きな疑問を感じていましたが、行事を「みんなであそぼう」に変えて、初めてその時期のこども達の主体的活動の様子を見ることができました。

生き生きとした声が連日響きわたり、やりとりする言葉がどんどん達者になっていくこと、活動が発展して友達同士のかかわりが深まっていくことなどを実際に目の当たりにすると、それまでこども達から奪っていたものの意味に罪悪感すら覚える気持ちになりました。

「運動会」を廃止して本当に良かったと心から思います。

 代わりに行われた「みんなであそぼう」はこども達は何の抵抗も無く、日々の延長をさらにふくらませて1日を楽しんでいましたが、初めて準備する先生方は本当に大変でした。保護者むけにプログラムを作りたくても、こどもの活動は日々変化するので直前まで内容が確定できませんでした。一事が万事そんなふうで、多様な活動に臨機応変に対応することが求められました。

保護者の理解をすすめることも大変苦労しました。保護者世代も「こども主体」ではなく「指示命令」のマニュアル世代ですから、最後まで主旨を理解できなくて、不満を抱いて参加された方も多いのではないかと思いました。

 最後に迎えた「卒園式」。「こども主体」の保育の流れでは従来のスタイルで行うことがもうできませんでした。

こども達が主役になれて、記憶に残るような式にするために、ひとつひとつ洗いなおして、「何のためにそうしてきたのかな?」「それではこどもがかわいそうでしょ」と言いながら必然的にスタイルが形作られていきました。例年にならって「総練習」が予定されていましたが、型をなぞる練習ではなく意味を理解できるように説明しながら伝えていきました。

「こんな感じなんだけどわかったかしら?なにかわからないことがあった?」と最後に聞くと「わかった」と言ってうなづくこども達に、こどもの力を信じる気持ちを強くすると同時に、日々の保育の積み重ねに手ごたえを実感しました。先生達のがんばりを褒めてあげたいです。

お母様方にはあの日に見たこどもの背中の薄さと首筋の細さを覚えていてほしいのと、こどもの顔を正面から見ようとすることで無意識にこどもの前にたちはだかってしまわないように、これからはこどもの後ろから、こどもの視点をとらえて同じ方向を見ながら見守ってほしい気持ちからこどもの後ろに座っていただきました。

 年度末に行われた役員会の中で、発表会の感想をある保護者が―主人が 『正直ものたりなかったけど、こどもが毎日楽しみだと言っていて、当日すごく楽しそうにやっていて、終わってからも楽しかった楽しかったと言っているからこれでいいんだろう』と言っていました―との言葉をお聞きして本当に温かい気持ちになりました。

こんなふうに保護者との意見交換も本音を言い合えて幸せに感じています。

「消去法で選ぶ幼稚園だったけれど、今は大満足です。」という複数の保護者からの本音には情けないやら嬉しいやらの気持ちですが、がんばってきた事が実を結んでいる実感と、より良くしていこうと努力する決意を新たにしました。

 それもこれも保護者の皆様の惜しみない協力が力強い後押しとなっています。この一年は保護者と共に創り上げてきた一年だと思い感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。


平成30年3月

園長 清水進  副園長 清水早苗

 

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.seisin-kg.jp/mt/mt-tb.cgi/140